- 著者
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松田 倫明
竹迫 慎平
中﨑 満浩
南立 亮
梅原 藤雄
- 出版者
- 日本神経学会
- 雑誌
- 臨床神経学 (ISSN:0009918X)
- 巻号頁・発行日
- vol.57, no.12, pp.759-763, 2017 (Released:2017-12-27)
- 参考文献数
- 21
症例は90歳女性である.入院中,急激に意識レベルが低下し深昏睡に至った.頭部MRI-拡散強調像(diffusion-weighted image; DWI)で両側視床,内包に高信号を認め,血中アンモニア値の上昇,脳波で前頭葉優位のデルタ波・三相波を認めた.肝性脳症に準じて治療を行い,意識レベルの改善,血中アンモニア値低下,DWI高信号の消失を認めた.腹部CTで肝自体に異常は認めなかったが,回結腸静脈から下大静脈に連続する異常血管を認め,portal-systemic encephalopathyと診断した.深昏睡時,視床・内包にDWI高信号を認めた場合には,急性高アンモニア血症に起因する脳症も鑑別上重要である.