著者
笠井 弘子 川崎 洋 海老原 全
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.124, no.6, pp.1141-1147, 2014-05-20 (Released:2014-05-26)
参考文献数
12

リアクティブ療法による治療中に皮疹の再燃を繰り返した成人アトピー性皮膚炎患者16例を,タクロリムス軟膏を週2回用いるプロアクティブ療法に移行して治療した.観察期間中,プロアクティブ療法を継続できた9例は,リアクティブ療法期間中に比べ病勢の有意な改善を認めた.移行に成功した症例と脱落した症例の比較から,6カ月程度の一定期間に渡り症状がSCORAD20前後,皮疹面積20%以下,VAS5以下を維持する中等症症例に対して,タクロリムス軟膏を週2回外用するプロアクティブ療法の導入を検討すべきと考えられた.