著者
長江 剛志 赤松 隆 清水 廉 符 皓然
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.264-281, 2020 (Released:2020-09-20)
参考文献数
19
被引用文献数
1

本研究は,経路と出発時刻を同時に選択する動的利用者均衡配分 (DUE-SDR: dynamic user equilibrium with simultaneous departure time and route choice)モデルの解法を開発する.具体的には,まず,一起点多終点もしくは多起点一終点の一般ネットワークを対象とし,待ち行列の物理的長さを捨象したpoint-queueモデルを用いて渋滞を表現する枠組を示す.この枠組の下で,DUE-SDRモデルを混合線形相補性問題として定式化する.次に,こうして定式化された問題が,適当な離散時点の枠組下で等価な二次計画問題に帰着することを明らかにし,これをFrank-Wolfe法を用いて解くアルゴリズムを開発する.最後に,提案解法をSioux-Fallsネットワークに適用し,未知変数が数万個に及ぶ問題に対しても,実用的な時間内に均衡解が求められることを示す.