- 著者
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川合 覚
石原 優吾
笹井 貴子
高橋 史成
桐木 雅史
林 尚子
山崎 浩
平石 秀幸
千種 雄一
Satoru Kawai
Yugo Ishihara
Takako Sasai
Fuminari Takahashi
Masashi Kirinoki
Naoko Kato-Hayashi
Hiroshi Yamasaki
Hideyuki Hiraishi
Yuichi Chigusa
- 雑誌
- Dokkyo journal of medical sciences (ISSN:03855023)
- 巻号頁・発行日
- vol.40, no.3, pp.189-192, 2013-10-25
埼玉県在住の男性・64 歳.2012 年11 月初旬,近医で日本海裂頭条虫症の診断を受け,駆虫目的で本院消化器内科を紹介受診.外来で駆虫治療したところ,全長約250 cm の白色紐状で,全体的に肉厚感のある虫体を排出した.虫体は形態学的特徴より日本海裂頭条虫ではなく,クジラ複殖門条虫が強く疑われたため,遺伝子解析を行った.PCR によって増幅されたcytochrome c oxidase subunit 1 遺伝子(cox1)の全長塩基配列を解析したところ,既知のクジラ複殖門条虫の塩基配列と99%の相同性を示したことから,本症例はクジラ複殖門条虫症と確定した.該当患者は,便に白色紐状物が混入する2〜3 か月前に,生シラスを生食しており,これが感染源となった可能性が高いと考えられた.