著者
笹島 芳雄
出版者
明治学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

役員報酬が極めて高い要因はストック・オプションの普及、取締役会の内部委員会である報酬委員会の機能不全、役員報酬の世間相場情報の利用上での問題、外部コンサルタントの行動、国民の価値観などに根ざしている。高報酬の是正は、社内の報酬構造の見直し、世間相場水準の慣性、アメリカ国民の価値観との衝突などがあり容易ではない。他方、底辺労働者の賃金水準は低く、貧困水準すれすれの状況にあり「生活賃金運動」が活発である。また、公正な賃金の実現に向けて、同一価値労働同一賃金の法制化が推進されているが困難な状況にある。多くの企業で実質的には同一価値労働同一賃金が実現している。