著者
高澤 円 須澤 満 奥脇 淳夫 中川 優子 永嶋 康夫 笹森 斉 笹森 典雄
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.602-607, 2015 (Released:2015-12-22)
参考文献数
12

目的:血管迷走神経反応(vaso-vagal reaction:以下,VVR)は,採血副作用のなかでは発症頻度が高いため,採血現場では万全な予防対策や適正な事後処置が求められる.今回,我々は,当健診センターで経験したVVR症例の現状を調査した.方法:2012年12月~2014年9月の期間中,当施設で採血を行った男性41,076人(45.7±11.3歳),女性22,217人(44.0±12.3歳)のうち,VVRを発症した男性29人(34.8±10.2歳),女性18人(33.4±11.8歳)を対象とし,年齢,性差,BMI,睡眠時間,VVR重症度,回復までの対応について調査した.結果:29歳以下の若年層で発症したVVRは19例(発症頻度0.30%)であった.また,VVRは女性や低体重者に多く発症し,睡眠時間が短い受診者がリスクとして認められた.VVR重症度は,軽症例が多かったため,回復までの対応は安静臥床・下肢拳上で改善が可能であった.結論:VVR発症低減に向け採血環境の整備は重要であり,さらに,睡眠不足を含む高リスク群の受診者には特に注意を払い,臥床採血を勧め,積極的に不安を取り除くような声掛けが必要である.
著者
玉置 昭英 大重 孝彰 遠藤 和弥 大田 史郎 矢野 方夫 渡部 紳一郎 笹森 斉 笹森 典雄
出版者
JAPAN SOCIETY OF NINGEN DOCK
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.162-167, 2001

ライフスタイル症候群は,動脈硬化の危険因子が複合したマルチプルリスクファクター症候群に似た考え方であるが,更に生活習慣を併せて総合健康評価を行い健康増進を目的としている。<br>ライフスタイル症候群の該当者は当健診センター人間ドック受診者中の21.5%を占め,性別では男性に多かった。また,肥満者および飲酒,喫煙習慣の有る人に高頻度に認められた。検査項目別の異常率は,脂質異常,肝機能異常,耐糖能異常,高血圧の順であった。
著者
高橋 英孝 笹森 典雄 吉田 勝美 近藤 健文
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.47-49, 1993-10-20 (Released:2012-08-27)
参考文献数
21

人間ドックを受診したL806名(男1,502名,女304名)に生体インピーダンス法による体脂肪率の測定を実施し,体格指数と体脂肪率の組合せによる肥満評価法の検討を行った。体格指数および検査正常者(男133名,女45名)における体脂肪率の平均値と標準偏差は,男18.9±4.7%,女23.2±3.4%であった。体格指数正常かつ体脂肪率が男15~23%,女20~27%を標準値とし,体格指数が正常でも体脂肪率の増加がみられる者は,早期肥満として生活指導の対象になると考えられた。