著者
笹生 健 松岡 聡
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.29, pp.1-6, 2003-03-11
被引用文献数
2

本研究ではヘテロな計算環境でのアルゴリズム研究を目的として,NAS Parallel BenchmarksのCG EP FT IS MGの5種類のカーネルベンチマークについて,通信の発生する頻度,データ分割法などの点から解析・分類した.そして,CPUヘテロなクラスタ上での負荷分散手法として,多次元配列データをブロック分割しているアルゴリズムについては,各PEの性能に応じて割り当てるブロックの個数を変えるという手法を用い,1次元配列データを分割するアルゴリズムについては,各PEの性能に応じて分割の幅を変えるという手法を用いて実装し,CPU性能のみヘテロなクラ スタ環境においてヘテロ対応手法の評価実験を行った.その結果,EP,IS,MGでは性能向上が見られたものの,CG,FTでは通信のオーバー ヘッドの増大により逆に性能低下を招く結果となった.In this study, we implemented the optimization of the Kernel Benchmarks of NAS Parallel Benchmarks for a heterogeneous cluster system and evaluated on the CPU heterogeneous cluster. We used the technique of optimization that load sharing by changing data size corresponding to a performance of each nodes. From the experimental results, our method achieves improvement of performance on EP, IS, and MG. But in the case of CG and FT, increase of a communicative overhead affects the performance, and the performance of our method less than original CG and FT.