著者
川上 隼斗 笹田 裕太 五十嵐 覚 秋田 純一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.1174-1183, 2015-04-15

視線計測はユーザインタフェースや心理状態の分析などインタラクション分野での幅広い応用が期待されている.サッケードと呼ばれる高速な眼球運動は,従来の視線計測システムではリアルタイムでの追尾が不可能であるものの,新しいインタラクションへの応用が期待されている.本稿では,サッケードを含む眼球運動を500[fps]以上の高フレームレート,かつリアルタイム(低レイテンシ)で計測・追尾が可能な視線計測システムの開発について,高速カメラとFPGAを用いた実動作検証システムと専用イメージセンサの設計のそれぞれについて述べる.またそれを用いて「サッケードが行き着く先」を先回りで予測する手法について検討した結果について述べ,さらにそのリアルタイムのサッケード予測を用いるインタラクションの可能性について考察する.