著者
筑木 一郎
出版者
学術文献普及会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.85, pp.63-73, 2009-03

京都大学学術情報リポジトリの戦略と成果を報告し,展望を示す。京大リポジトリでは,紀要類の電子ジャーナル化という戦略を打ち出し,リポジトリを電子ジャーナル・プラットフォームとして機能させる道を模索している。小規模な研究者グループの支援としてのリポジトリ事業は電子ジャーナル出版に行き着くことを明らかにする。一方で,京都大学学術出版会との連携,ヒトiPS 細胞論文やノーベル賞受賞論文の登録・公開といった特色ある活動を打ち出すことで,リポジトリ事業が大学あるいは図書館の活動を低コストでアピールできる取り組みであることも明らかにする。
著者
筑木 一郎
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.55, no.10, pp.428-432, 2005-10-01
被引用文献数
3

英国では, 学術機関における知的資源の効果的な発信・共有を図るFAIRプログラムが, 情報システム合同委員会(JISC)の助成を受けて実施された。本稿では, その中から, 電子学位論文に関して実施された3プロジェクト(Theses Alive!, Electronic Theses, Daedalus)について紹介する。これらのプロジェクトでは, 学位論文に適したリポジトリ・システムの構築, メタデータ・コア・セットの設計, 収集・提供モデルの調査などが行われた。重要な成果としては, 教育・研究プロセス, 研究指導の過程にリポジトリを連携させた点などがあり, 機関リポジトリおよびオープンアクセスの可能性が示唆される。
著者
上田 貴雪 村上 浩介 筑木 一郎
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.236-244, 2006

国立国会図書館はこれまで,図書館および図書館情報学に関する情報誌「カレントアウェアネス」「カレントアウェアネス-E」を刊行してきたが,インターネットを通じた情報提供が図書館界においても一般的に行われるようになってきた昨今,速報性・情報量・効率性の観点から,両誌の課題が浮き彫りになってきた。両誌の編集を担当する調査情報係は,これらの課題を解消するため,CMSを用いてWebサイト「Current Awareness Portal」を構築し,新しい情報提供スタイルを試みた。本稿ではその取り組みと,試行の結果判明した課題を紹介する。