著者
箕輪 千佳
出版者
佐久大学看護学部
雑誌
佐久大学看護研究雑誌 = Saku University journal of nursing (ISSN:18836593)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.15-24, 2015-03

明治時代初めまで自由開業制だった医師制度に、政府は西洋医学に基づく医学教育と免許制度を導入し、医師の数と質の確保のため、明治から大正にかけて医師養成制度を大きく変化させた。荻原源吉は日露戦争で看護卒として従軍したことから医師を志し、小学校の教職に就きながら、東京で開催された夏季講習に通い医師検定試験に合格した。医師となり無医村だった三宅島で開業、郷里の佐久に戻っても無医村に出張診療を行い、貧しい人にも差別なく診療を行った。その時代、貧困者への医療支援は、皇室および政府や地方行政の経済的補助を受け、医師会や産婆会等様々な団体の医療支援として展開される一方、医療職者それぞれの博愛の精神に支えられたものであった。
著者
大西 香代子 中原 純 箕輪 千佳 有江 文栄
出版者
日本看護倫理学会
雑誌
日本看護倫理学会誌 (ISSN:24347361)
巻号頁・発行日
pp.20220425b, (Released:2022-06-24)
参考文献数
16

目的:倫理審査を受けた看護学研究者の倫理審査に対する評価とその特性との関連及び望ましいあり方を明らかにする。方法:全国の看護系大学90校の看護学研究者900名に質問紙調査を実施した。個人属性、組織変数のほか、倫理審査の評価18項目、望ましいあり方11項目について5段階で回答を求めた。重回帰分析により尺度としての妥当性を確認し、特性との関連を検討した。結果・考察:審査結果が妥当だった等の肯定的評価の一方、手続きの大変さも感じていた。審査の肯定的評価には、審査基準の公表や結果を1カ月以内に出すこと、審査へのサポート体制があることなどが関連していた。また、科学的妥当性への言及や同意取得の手続き等について、研究者の理解不足も示唆されたが、委員になるための研修制度や資格が整備されることを望んでいた。結論:看護学研究者に対する研修だけではなく、倫理審査に対する組織の取組みの改善が重要である。