著者
藤田 素弘 篠原 将太
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.5, pp.22-00050, 2023 (Released:2023-05-20)
参考文献数
11

本研究では,人口増加と人口減少が同時に進行している愛知県西部地域の名古屋市 20km 圏内のさまざまな都市において,子育て世代が満足する居住環境要因や必要とされる施策を検討するために,子育て世代を対象としたアンケート調査を行った.集計での満足度と重要度の分析では歩道の安全性が最も強い改善課題として挙げられた.重回帰分析の総合評価モデルからは地域の治安,歩道・公園の安全などが,地域の評判モデルからは街の景観が,転居意向モデルからは学校の教育レベル等の影響が大きいことがわかった.また人口指標や各評価項目の満足度による地域間比較では,社会増加率は満足度の交通利便性の項目と相関が高いが,出生率は自然の豊かさとの相関が高かった.以上のことはこの地域の今後の施策において配慮すべき事項として考えられた.