- 著者
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福井壽男
向井 正視
篠田 了
長谷川 二郎
- 出版者
- 一般社団法人日本歯科理工学会
- 雑誌
- 歯材器 (ISSN:02865858)
- 巻号頁・発行日
- vol.12, pp.685-690, 1992
- 被引用文献数
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8
12%金-パラジウム-銀-銅合金は, 金, パラジウムの量はそれぞれ12%と20%と一定している.しかし, 銀の含有量は45〜55%で銅の含有量は10〜20%とメーカーによって異なる.この合金の銀と銅の組成比と金の添加量の増加の影響を知ることは材質評価だけでなく, 合金開発の指針としても重要である.本研究は銀と銅の比率が異なる12%金-20%パラジウム-銀-銅合金のS-12(石福金属)とCastwell M.C(GC)と20%金-パラジウム-銀合金のAlba 20を用いて, 熱処理の影響と硬化機構との関係を調べた.その結果, 12%金-20%パラジウム-銀-銅合金では銀と銅の組成比の違うS-12とCastwell M.Cの熱処理と機械的性質の特性は類似している.12%金-20%パラジウム-銀-銅合金の硬化機構は時効硬化型と固溶体硬化型の2つである.一方20%金-パラジウム-銀-銅合金の硬化機構は時効硬化型のみであった.