著者
小尾 公美子 籠橋 麻紀 波田 野琢 藤島 健次 北田 徹 服部 信孝 大熊 泰之
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.68-72, 2010-02-28 (Released:2014-11-21)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

破傷風は先進国では稀な疾患となったが, ひとたび発症すると致死率が高い神経緊急疾患である. 当科ではこの9年間に7例の破傷風患者を経験したが, 本稿では中高年齢で発症し示唆に富んだ4例について報告した. 開口障害より嚥下障害が目立つと, 脳卒中と誤診されやすく注意を要する. 少しでも開口障害があれば外傷歴がなくとも破傷風を考慮し, 高齢者, 重症者では合併症も多いので, 十分な全身管理が必要であると考えられた.