著者
武部 博倫 亀田 常治 小松 通泰 米屋 勝利 森永 健次
出版者
社団法人 日本セラミックス協会
雑誌
Journal of the Ceramic Society of Japan (日本セラミックス協会学術論文誌) (ISSN:09145400)
巻号頁・発行日
vol.97, no.1122, pp.166-173, 1989-02-01 (Released:2010-08-06)
参考文献数
11
被引用文献数
9 15

The single-phase region of AlON, a spinel type solid solution in the system Al2O3-AlN, has been determined. AlON was synthesized from solid phase reactions between Al2O3 and AlN powder in several reaction vessels. The reaction vessel of porous Al2O3 with AlN coating was suitable for obtaining pure AlON. The single-phase region of AlON was from 28 to 32mol% AlN at 1700°C and from 20 to 34mol% AlN at 1800°C. The lattice parameters of AlON increased from 7.926 to 7.946Å with increasing AlN content. Y2O3-powder was used as a sintering aid to obtain translucent AlON from synthesized AlON powder at low temperature. For 1wt% Y2O3 addition, the translucent AlON was obtained at 1800°C, and its relative density and flexural strength were 99% and 250MPa, respectively.
著者
柘植 章彦 井上 寛 米屋 勝利
出版者
公益社団法人 日本セラミックス協会
雑誌
窯業協會誌 (ISSN:00090255)
巻号頁・発行日
vol.82, no.951, pp.587-596, 1974-11-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
28
被引用文献数
1 3

窒化チタン (TiN) の焼結に関する既報の研究例は数少ない. この報告はTiN-CoおよびTiN-WC-Co系合金の焼結に関したものである. すなわち, X線回折, E. P. M. A., I. M. A., 諸焼結特性の測定, および合金の強度測度などによって基本的諸現象に検討を加えた.おもな実験条件は次の通りである.1) 合金組成 (重量%),TiN-20wt% Co, TiN-25wt% Co, TiN-10wt% WC-20wt% Co, TiN-5wt% WC-25wt% Co, TiN-40wt% WC-20wt% Co2) 焼結条件,1600℃, 1700℃, 1800℃, 10-240min, Ar気流中その結果, 次のような知見を得た.用いた主原料TiNとCoの間には, 相互の溶解現象 (少量と思かれる) が認められた. また, これにWCを加えたTiN-WC-Co 3元系合金では, WCが他の2相に溶解する. おもにW原子がCo相に, C原子がTiN相へ溶解することを推察した. 2および3元系 (40WC添加系を除く) 合金の主構成相は粒子相であるTiN相, およびその結合相のCo相である.合金組織の検討によれば, 2元系合金では焼結初期から粒子相のスケルトンが形成され, この系におけるTiN粒子のCo相に対する不完全な濡れ性が推察された. しかし, 3元系合金ではこのような現象が認められなかった. これはWC添加により濡れ性がある程度改善されたことによると考えられる.TiN-10WC-20Co系の液相焼結過程のうち, 予想したsolution-precipitation過程を解析した結果, この過程は固-液界面における反応に律速されることを推察した.合金の機械強度はTiN-WC-Co 3元系合金の方で一般にTiN-Co 2元系合金に優ったが, これはおもに結合相の差異によるものと思われた.