著者
米良 亮平 岡島 寛 松永 信智 川路 茂保
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.187-195, 2012-08-15 (Released:2012-10-31)
参考文献数
21

上肢6筋モデルは筋活動と関節角度の変化より関節トルクや手先剛性を推定できるため,腕の姿勢が変化する動作の解析に適用できる.このような解析を行うためにはモデルの剛性パラメータを推定する必要がある.しかし,筋肉付け位置,長さ,断面積などの生体パラメータを多く含むため,動作範囲が広い場合は筋の長さや断面積の変化が筋のばね定数に大きく影響し,剛性パラメータの推定は困難になる.これに対し本論文では,広い動作範囲を持つクランクタスクを用いて,上肢6筋モデルにおける筋の剛性パラメータの推定手法を提案する.まず,すべての筋を均質な弾性体と考え,それぞれの筋の弾性係数を共通した縦弾性係数を用いて表し,最小二乗法に筋の縦弾性係数に関する勾配法を併用して筋パラメータを推定する.さらに,提案手法によって得た筋パラメータに対する剛性分析により,求まった筋パラメータの有効性を検証する.