著者
粟屋 仁美
出版者
経営哲学学会
雑誌
経営哲学 (ISSN:18843476)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.60-74, 2020-10-31 (Released:2021-06-08)
参考文献数
22

本稿は、カープにより広島に生じた経済効果を地域活性化と捉え、その背景と要因を、ファンとカープ球団間の関係に解を求め考察したものである。プロ野球ビジネスの変遷は、プロ野球団を所有する親会社の産業の変化、技術の発展によるメディアの変化等、コンテクストの面より確認できる。特にプロ野球再編問題が生じて以降の親会社の産業やメディアの変化は、球団のファンへのアプローチ手法を変えた。時を同じくしてSNS等が普及したことで、ファンは多様化し、贔屓球団も偏りが低減した。これはプロ野球団のドメインが変わったといえる。このようにプロ野球ビジネスが変遷する中で、カープは他球団と異なる特色をいくつか持つ。個人所有の球団であり、親会社の影響を受けることもなく、個人経営者が広島に対するコミットメントを愚直に遂行していることや、球団の創設や球場の建築は、広島の経済界、自治体、住民により発意されコスト負担がなされてきたことである。考察の結果、広島に居を構えるカープファンは、株主的機能と類似した所有者意識を有していることを導出した。よってカープ球団により生じた現在の広島の地域活性化は、カープの広島に対するコミットメントとカープの株主機能的なステークホルダーにより生じたものといえよう。球団、ファン等の個の最適が、プロ野球全体のコンテクストとあいまって、広島全体が活性化され全体最適を生じているとも解釈できる。
著者
粟屋 仁美
出版者
比治山大学短期大学部
雑誌
比治山大学短期大学部紀要 (ISSN:1345465X)
巻号頁・発行日
no.46, pp.11-25, 2011

The profit, an economical purpose of the company, has the role that becomes the means of the benefit of society. It can be said that CSR is theoretically an activity that invents this profit.CSR described in this text is internalization of Social Cost. This research aims to define this CSR as dynamics CSR activities from the strategy side. Past discussion of CSR research and the review of the discussion about the strategy theory and case derived the following. I took up FP Corporation as an example of CSR, I clarified that it was contribute competitive advantage and it was not an activity to which CSR obstructed the profit. . I described that the strategy that mixes the following is necessary for the judgment which societal cost is internalized, Competitive Advantage, Resource-based Approach Strategy. Blue Ocean Strategy.