著者
大島 清 清水 慶子 穐本 晃 津田 健 大廻 長茂 粟田 浩
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.90, no.3, pp.171-175, 1987

妊娠ラットおよびサルを用いて,麻酔下で子宮運動をバルーンカテーテル又はオープンエンドカテーテル法により測定し,OU-1308の子宮に対する作用をprostaglandinF2<SUB>2&alpha;</SUB>(PGF2<SUB>2&alpha;</SUB>)と比較検討した.妊娠ラットにおけるPGF2<SUB>2&alpha;</SUB>およびOU-1308の静脈内投与での子宮収縮量は,妊娠8日目でいずれも30&mu;g/kg,妊娠20日目でいずれも10&mu;g/kgであった.妊娠50~120日目のサルにおけるPGF<SUB>2&alpha;</SUB>およびOU-1308の静脈内投与での子宮収縮量はいずれも10&mu;g/kgであった.なお,OU-1308の500&mu;g/kgの経口投与では妊娠サルの子宮運動に影響を及ぼさなかった.以上の結果から,OU-1308は静脈内投与でPGF<SUB>2&alpha;</SUB>と同等の子宮収縮作用を有する事が明らかになった.