著者
渡邉 政嘉 吉野 潤 横田 純一 高谷 慎也 南崎 義徳 津田 健人 佐々木 柊野
出版者
特定非営利活動法人 産学連携学会
雑誌
産学連携学 (ISSN:13496913)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.1_93-1_102, 2021-01-31 (Released:2021-03-15)
参考文献数
8

日本版SBIR制度は,1999年に創設されて以降中小企業者等に対し,のべ9.4万社,14兆円の補助金等の支出を行う等,一定の成果を達成してきた一方,対象となる補助金等の一部の省庁に占める割合が多数を占めるといったポートフォリオの課題や,交付における統一ルールの不在など,様々な制度的課題が顕在化している.加えて,近年,社会課題解決ニーズの多様化や,科学技術の細分化・複雑化により,スタートアップ企業を中心とした中小企業者等への支援を通じたイノベーション創出の重要性が高まっている.こうしたことを踏まえ,第201回通常国会において,科学技術基本法等の一部を改正する法律が成立し,日本版SBIR制度の見直しが行われ,同制度のイノベーション政策としての位置付けを明確化し,一部の補助金等については,研究開発課題の提示や多段階選抜方式等の交付に関する各省統一的なルールのもと運用することとするなど,スタートアップ・中小企業等によるイノベーションの促進に資する制度とされた.今後,新たな日本版SBIR制度が着実に運用され,更には継続的な改善に取組むことで,当該制度が我が国のイノベーションに貢献することを期待したい.
著者
森川 大輔 津田 健治
出版者
日本結晶学会
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.135-142, 2021-05-31 (Released:2021-06-05)
参考文献数
36

Convergent-beam electron diffraction (CBED) is one of the powerful tools for nano-meter scale structural analysis. From its specific futures such as nano-meter probe, dynamical scattering, and direct determination of electrostatic potential, CBED can be applied for space group determination, observation of orbital-ordered state, and local structure analysis. In this paper, some examples for recent results obtained by CBED method are described.
著者
吉村 賢治 武内 美津乃 津田 健蔵 首藤公昭
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.294-301, 1989-03-15
被引用文献数
24

実用的な日本語文解析システムにおいて 入力文中に存在する未登録語の位置や文法情報等の推定は不可欠な処理である.日本語文の解析手順は 形態素解析 構文解析 意味解析などの各解析を段階的に行うものと これらを融合的に行うものとに大きく分類できる.本論文では前者の方式を想定し,形態素解析の段階における未登録語の処理について述べる.本論文で示す形態素解析アルゴリズムは基本的に解析表を利用した横型探索のアルゴリズムであり 入力文中の一文字の漢字 平仮名や英字列 片仮名列を自立語と同等に扱うことにより未登録語の処理を可能にしている.このとき入力文の一文字ごとに自立語辞書を検索するという効率の問題やシステムにとっては正しいが本質的には誤っている膨大な数の解析が発生するという尤度評価の問題が生じる.これに対して本アルゴリズムでは 字種情報に基づいた文節末の可能性と解析の単位に対するコストの付与という二つのヒューリスティック情報を利用している.アルゴリズムの能率は入力文の文字数nに対して時間計算量 領域計算量ともにO(n)である.また このアルゴリズムにより入力文中の未登録語の90.9%を正しく処理できることを実験により確認した.
著者
津田 健 久保内 昌敏
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.14-21, 1998 (Released:2013-02-19)
参考文献数
12

The polymeric materials, which have been generally considered to be good corrosion resistant material, are also degraded according to environments. The degradation behavior of polymeric materials can be classified into physical and chemical process. The later behavior in which molecular chain are cut chemically are called as corrosion. In this paper, the behavior, form and mechanism of corrosion of thermosetting resins used as matrix of GFRP (glass fiber reinforced plastics) under several solutions are mainly reviewed based on our experiments. The degradation behavior of GFRP are also mentioned briefly.
著者
大島 清 清水 慶子 穐本 晃 津田 健 大廻 長茂 粟田 浩
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.90, no.3, pp.171-175, 1987

妊娠ラットおよびサルを用いて,麻酔下で子宮運動をバルーンカテーテル又はオープンエンドカテーテル法により測定し,OU-1308の子宮に対する作用をprostaglandinF2<SUB>2&alpha;</SUB>(PGF2<SUB>2&alpha;</SUB>)と比較検討した.妊娠ラットにおけるPGF2<SUB>2&alpha;</SUB>およびOU-1308の静脈内投与での子宮収縮量は,妊娠8日目でいずれも30&mu;g/kg,妊娠20日目でいずれも10&mu;g/kgであった.妊娠50~120日目のサルにおけるPGF<SUB>2&alpha;</SUB>およびOU-1308の静脈内投与での子宮収縮量はいずれも10&mu;g/kgであった.なお,OU-1308の500&mu;g/kgの経口投与では妊娠サルの子宮運動に影響を及ぼさなかった.以上の結果から,OU-1308は静脈内投与でPGF<SUB>2&alpha;</SUB>と同等の子宮収縮作用を有する事が明らかになった.
著者
津田 健治
出版者
日本結晶学会
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.269-276, 2002-10-31
参考文献数
16
被引用文献数
2

A procedure for refining structural parameters and charge densities using convergent-beam electron diffraction (CBED) is described. The procedure is based on the nonlinear least-squares fitting between full dynamical calculations and energy-filtered intensities of two-dimensional higher-order Laue-zone (HOLZ) and zeroth-order Laue-zone (ZOLZ) CBED patterns.
著者
仙北谷 英貴 山本 秀朗 党 偉栄 久保内 昌敏 津田 健
出版者
合成樹脂工業協会
雑誌
ネットワークポリマー (ISSN:13420577)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.178-187, 2002 (Released:2012-08-20)
参考文献数
11
被引用文献数
1

ケミカルリサイクルを行う目的で3種類のエポキシ樹脂を80℃の4mol/1およひ6mol/1の硝酸水溶液により分解した.DDM (diaminodiphenylmethane) 硬化ビスフェノールF型エポキシ樹脂では, 樹脂は4molAで約400時間, 6mol/1で80時間の分解時間を要した.DDS (diaminodiphenylsulfone) 硬化TGDDM (tetraglycidyldiaminodiphenylmethane) 型エポキシ樹脂は, 4mol/1では約50時間, 6mol/1では約15時間で分解した.硝酸水溶液から酢酸エチルによって抽出された化合物の分析の結果, C-N結合の開裂とニトロ化が起こっていることが明らかになった.また, 一般的に耐酸性の高い酸無水物硬化エポキシ樹脂について, 樹脂主剤の化学構造の中にC-N結合をもつ無水メチルハイミック酸硬化TGDDM型エポキシ樹脂を硝酸水溶液で分解させた.4molA硝酸水溶液では約80時間, 6mol/1では約250時間で分解し, 本手法が酸無水物硬化エポキシ樹脂にも応用可能であることが明らかになった.分解生成物の分析結果から, 回収された分解生成物を再重合する目的であればビスフェノールF型エポキシ樹脂の4mol/1硝酸水溶液による分解が優れ, 単純に廃棄物処理するだけであればDDS硬化TGDDM型エポキシ樹脂を6mol/1硝酸水溶液で分解させる方法が最も適していることが明らかになった.
著者
津田 健治 寺内 正己
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

われわれが独自に開発してきた収束電子回折法による結晶構造解析法をベースとして, 試料のナノメーター領域から静電ポテンシャル分布を求める手法を新たに開発することに成功した. この方法をLiNbO_3等の強誘電体に適用して静電ポテンシャルを決定して強誘電分極を検出した. また, この方法を応用して強相関電子系物質の3d電子軌道の秩序の可視化にも成功した.
著者
寺内 正己 津田 健治 小形 曜一郎 佐藤 庸平 津田 健治 小形 曜一郎 佐藤 庸平
出版者
東北大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2007

電子顕微鏡法を用いて構造・組成評価を行った良質な試料領域から構造・電子状態の研究を行い、ボロンナノベルト、ゼオライトカーボン、ポリマー重合C_<60>、LiドープαボロンおよびMgB_4の特徴的な電子状態の存在を明らかにした。また、分光CBED法による価電子分布の異方性検出、EELSによるナノ粒子の近赤外応答の解析、異方的SXES計測による価電子分布の異方性の検出などの解析手法の高精度化を実現した。