著者
糠谷 文孝 黄瀬 浩一 和泉 憲明
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.333-334, 1997-03-12

実世界で自ら行動を決定し, 実行するエージェントには, 動的な環境下でプランニングを行う能力が必要である. 具体的には, 環境の変化に柔軟に対処するため, プランニングの途中でも必要に応じてプランを実行するという熟考の制御が不可欠である. 熟考の制御に関しては, 山田がプラン実行の成功確率に基づいてプランニングと実行をインタりーブする手法を提案している. この手法では, 一つのオペレータが一つの目標の処理に対応し前向きビーム探索で複数の目標の処理順序をプランニングする. ところが, 一つの目標を達成するために複数のオペレータを組み合せる従来のプランニング問題に対して, 熟考を制御する手法はあまり研究されていない. そこで本稿では, このような問題に対して熟考を制御するため, 階層的プランニングを用いる手法を提案する. 本手法の特微は, 階層的プランニングの詳細化の方法として熱考型と即応型の2つのモードを用意し, 環境の変化に応じて切替える点にある. 環境の変化が緩やかなときは, 従来の階層的プランニングを続けることによって合目的性を高める熟考型, 環境の変化が激しいときは, 実行に必要な部分だけを速やかに詳細化する即応型によりプランを生成する.