著者
三宅 義明 井藤 千裕 糸魚川 政孝
出版者
日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.38-42, 2013-01-15
参考文献数
10
被引用文献数
1

小笠原&middot;島レモンに含まれる機能性成分のフラボノイド,フェニルプロパノイド,クマリン類の特徴を調べることを目的に,低熟度,高熟度の小笠原&middot;島レモン,マイヤーレモン,ユーレカレモン,温州みかんに含まれる各成分を定量分析し,比較検討した.小笠原&middot;島レモンはフラボノイドのヘスペリジンが主成分であり,未熟果実のアルベドに多く含まれていた.マイヤーレモンから単離報告<SUP>8) </SUP>されているフェニルプロパノイドのメイエリンは小笠原&middot;島レモンのアルベドに多く含まれ,ユーレカレモンより高含有であった.小笠原&middot;島レモンに特徴的な物質を単離し,7-メトキシ-5-プレニロキシクマリンと同定した.小笠原&middot;島レモンのクマリン類は,5,7-ジメトキシクマリンと7-メトキシ-5-プレニロキシクマリンが低熟度果実フラベドにユーレカレモンに比べて高含有であった.小笠原&middot;島レモンに含まれるこれら機能性成分の成分組成と含有量は全般的にマイヤーレモンと類似していた.
著者
三宅 義明 井藤 千裕 糸魚川 政孝
出版者
日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.178-181, 2011-04-15
被引用文献数
1 1 2

マイヤーレモンは,レモン類とマンダリン類の自然交配種と考えられ,これのフラボノイド,クマリンの含有量の特徴をユーレカレモン,ウンシュウミカン,ネーブルオレンジとの比較により調べた.マイヤーレモンのフラボノイドの特徴は,eriocitrin, hesperidin, nobiletinの含量がウンシュウミカン,ネーブルオレンジに類似し,narirutin, 6,8-<I>C</I>-diglucosylapigenin, 6,8-<I>C</I>-diglucosyldiosmetin, diosminはユーレカレモンと類似していた.各果実のフラボノイド含量を主成分分析したところ,主成分第一と主成分第二の散布図ではマイヤーレモンは,ユーレカレモンとマンダリン類(ウンシュウミカン,ネーブルオレンジ)の中間位置であった.クマリンの5-geranyloxy-7-methoxycoumarin, 8-geranyloxypsoralen, 5-geranyloxypsoralenはユーレカレモンに特有に存在し,マイヤーレモンには含まれていなかった.5,7-dimethoxycoumarinはマイヤーレモンに特徴的に高含有であり,果皮緑色の未熟果実に多く含まれていた.