- 著者
-
村橋 俊一
細川 隆弘
- 出版者
- The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
- 雑誌
- 有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
- 巻号頁・発行日
- vol.39, no.10, pp.933-951, 1981 (Released:2009-11-13)
- 参考文献数
- 269
- 被引用文献数
-
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4
金属の特性を活用した新しい有機合成反応は数多く開発され, 天然物合成にもしばしば応用している例が見られるようになっている。金属のなかでも特にパラジウムの活用例が抜きん出て多く, 現在もその開発研究の数が増大している傾向が見られる。この理由はパラジウム化合物の取り扱いの容易さと, 反応性の多様性にもとつくものである。パラジウムを用いる有機合成反応や機構の解説は成書や総説によりいくつか紹介されている。ここでは有機合成反応の一つの柱となる官能基変換反応に, パラジウムがどのように触媒あるいは試剤として用いられているかについて紹介することとしたい。有機合成反応によく用いられるパラジウム化合物の具体的な合成法, あるいはその使用法については本協会誌にすでに紹介したので参照していただきたい。