著者
水島 一郎 佐藤 力 綱島 祥隆
出版者
The Japan Society of Applied Physics
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.69, no.10, pp.1187-1191, 2000

SON (Silicon on Nothing) 構造を実現する技術として,厚さは1μm以下でありながらミリメートルサイズの広さを有する平板状の臣大空洞 (ESS: EmPty Spacein Sillcon) を,シリコン基板内部に形成する技術を開発した.この構造は,サブミクロンサイズの闘孔径のトレンチをシリコン基板上に形成したのち,水素などの還元性雰囲気中にて熱処理し,シリコン原子を表面マイグレーションさせることで実現できる.さらにトレンチの初期配列を制御することで,平板状だけでなく,管状,球状などいろいろな形状のESSを形成できる.本技術は,埋め込み絶縁層の比誘電率として1という最小値を実現できる方法として,これまで期待されながら作製困難であったSON構造を従来のプロセス技術により実現できるきわめて有望な手法であり, SOI技術の代替技術となりうるとともに,微細加工技術のーつとして幅広い応尾が期待される.