著者
武政 彰 繁田 ゆかり
出版者
九州病害虫研究会
雑誌
九州病害虫研究会報 (ISSN:03856410)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.146-151, 2009 (Released:2010-03-02)
参考文献数
11
被引用文献数
1

小ネギの害虫であるネギハモグリバエについて,宇佐市および中津市で採取した個体群を供試し,薬剤の殺虫効果を調査した。その結果,シペルメトリン乳剤,シロマジン液剤およびスピノサド水和剤などが,両個体群に対して有効であることが判明した。両個体群で殺虫率に差異がみられる薬剤も認められた。防除適期については,薬剤処理時期が早いほど殺虫率が高くなる傾向が認められた。本種の防除は,加害初期に行うことが重要であると考えられる。ただし,シペルメトリン乳剤およびスピノサド水和剤は,幼虫の潜孔がみられる時期でも殺虫効果が高かった。また,アジュバントあるいは,スプレッダーのポリオキシエチレンメチルポリシロキサン加用により,殺虫効果が高くなった。
著者
繁田 ゆかり 岡崎 真一郎
出版者
九州病害虫研究会
雑誌
九州病害虫研究会報 (ISSN:03856410)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.77-81, 2007-11-10 (Released:2009-05-22)
参考文献数
6
被引用文献数
3 1

小ネギにおけるネギハモグリバエに対する被害軽減効果が得られる各種防虫ネットの目合い(0.4mm,0.8mm,1.0mm)について,室内および現地小ネギハウスで調査した。また,ハウス内気象も併せて検討した。その結果,いずれの目合いについても,高い被害軽減効果が認められ,効果は目合いが細かくなるほど高くなった。しかし,0.4mm目合いではハウス内の温度が夏場の最盛期には50℃を超えたことから,生産者の作業性および小ネギに与える品質等を併せて考慮すると,実用的には0.8mm目合いのネットが最も有効と考えられた。そこで,2004年,2005年の2カ年にわたり,現地において0.8mm目合いを用い,ハウス開口部に被覆し,被害株推移を調査した。その結果,いずれの年も0.8mm目合いの防虫ネット被覆で被害株数は低く推移し,収穫期での被害株数は防虫ネットを被覆しないハウスと比較して有意に低く,被害抑制効果が認められた。