著者
織田 弥三郎 澤田 裕樹
出版者
Japanese Society for Plant Cell and Molecular Biology
雑誌
植物組織培養 (ISSN:02895773)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.164-169, 1990 (Released:2010-04-30)
参考文献数
16

組織培養による食用ウチワサボテン (Opuntia ficus-indica) の大量増殖法を検討し, 以下の知見を得た.1. 基本培地としては検討した4種類の既成培地のうちMS培地が最も適していた.2. 増殖培地では, BA 1mg/l, NAA 0~0.1mg/lの植物生長調節物質の組合せでシュートの増殖が良好であった.3. また, 増殖培地中のゲル化剤に関しては寒天0.4%またはゲルライト0.2~0.3%が適していた.4. 発根培地において, NAAを5mg/l添加することにより発根および地上部の生長とも増加した.5. 発根した小植物体の馴化は容易であり, 生長にともなって親植物と同様の形質を示した.