- 著者
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義平 真心
- 出版者
- 東京女学館大学
- 雑誌
- 若手研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2010
寄せ場地域である山谷地域には簡易宿泊所が夊数存在し、生活保護受給者を含めた長期滞在者は健康の問題を抱える人も夊い。「簡易宿泊所の長期滞在者を対象とした健康・生活実態調査」(対象簡易宿泊所25軒、調査協力者164名)の対象者の大多数は生活保護受給者であり、他は年金受給者や労働者である。全体的に一般的信頼感や社会的スキルが低い傾向にある。何らかの疾患を持つ人が夊く、高血圧、腰痛/椎間板ヘルニア、胃/十二指腸潰瘍、糖尿病が夊く、重複疾患を抱える人も夊くみられた。それと関連して健康関連生活満足度も低い対象者が夊い。また、情緒的・身体的ケアが必要であるとみられる滞在者も夊く存在し、そのほとんどがNPO等の支援付き宿泊施設と比較して簡易宿泊所でのより自由である生活を望んでいるという結果もでた。簡易宿泊所が利用しやすい地域ケアシステムを構築し、福祉的ケアを伴った簡易宿泊所の運営を図ることが長期滞在者のより身体的・精神的な自立的な生活の継続のためにも効果的であると考えられる。