著者
細川 繁 升本 喜就 竹沢 進 羽地 和彦
出版者
The Society of Instrument and Control Engineers
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.123-128, 2006-02-28 (Released:2009-03-27)
参考文献数
7

A Whale Ecology Observation Satellite (WEOS) was successfully launched on Dec. 14th 2002 as one of the piggyback payloads of H-IIA-4 launch vehicle. The functions of the attitude control system for the WEOS are detumbling and libration control by single axis magnetic torquer, and the earth pointing control by utilizing of gravity gradient torque.According to the resources limitation, the WEOS adopted the gravity gradient attitude stabilization system instead of the three axis attitude control system, as the first trial in Japan. The gravity gradient attitude stabilization system is working well as planned. This paper describes the attitude control system of WEOS and its control results.
著者
細川 繁 林 友直 竹沢 進 羽地 和彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.531, pp.37-42, 2003-12-12
被引用文献数
2

鯨生態観測衛星(WEOS : Whale Ecology Observation Satellite)は、重力傾度法による地球指向姿勢制御衛星で、衛星下面に取り付けたアンテナを地球方向に指向させるとともに衛星上面に取り付けたGPSアンテナを常に天頂に指向させる。重力傾度による姿勢制御法を採用した衛星は国内ではWEOSが初めてである。WEOSの姿勢制御機能としては、重力傾度の他にトルカ・コイルによる磁気モーメントを利用したレート・ダンピング制御及び姿勢反転機能を具えている。H2A-4号機ロケットからの分離は、3本のスプリングによって衛星放出がなされる。したがって、3本のスプリング力にアンバランスがあると放出の際衛星にタンブリングが発生する。デタンブリングは、3軸の地磁気センナデータに基づいてトルカ・コイルを励磁することによって行っている。タンブリング減衰後は、遡上からのコマンドによってマストを伸展させ、マスト先端に取り付けたマス(3kgf)と衛星本体で構成される機体に働く重力傾度を利用してアンテナ取り付け面を地球に指向させる。姿勢が逆向きに安定化した場合にはトルカ・コイルの磁化極性を発散方向に作用させて姿勢を反転させる。本論文は、WEOSのロケット分離時の状況とその後の追跡・管制及び姿勢制御結果について述べる。