著者
須藤 明治 山田 健二 山村 俊樹 鴫原 孝亮 羽毛田 高聖
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.70, pp.241_2, 2019

<p> 一般的に、握力の評価は、静的最大筋力であり、筋肉の力をみる代表値として用いられている。そして、近年、握力が強い人は、積極的に身体を動かす習慣を持っていることが予想され、より多く筋力を使い、脳への刺激も活発であり、それが心肺機能や循環器機能を高め、認知症や梗塞などの発症リスクを低くしているのだと言われている。また、手の運動が脳の活性化や健康に役立つことも知られている。そこで、本研究では、直径40mmの筒状の棒長さ35cm(A-bou) とし、ほぼmaxで握りしめてから、ひねる動作を繰り返した時の筋活動を測定した。その結果、握力52.1kgの時を100%MVCとして、A-bouを握ったときの筋活動は、腕橈骨筋104.7、尺側手根屈筋110.0、上腕二頭筋15.6、上腕三頭筋2.0、三角筋5.6、僧帽筋1.8、大胸筋19.4、脊柱起立筋33.9であった。そして、ひねり動作時は、腕橈骨筋71.1、尺側手根屈筋19.8、上腕二頭筋3.4、上腕三頭筋1.3、三角筋7.9、僧帽筋4.6、大胸筋20.9、脊柱起立筋32.1であった。また、血流値は2.4倍となった。このように、筋出力を調整することにより、血管への刺激が連続的に行われ、血管自体の柔軟性が高まるのではないかと推察された。</p>