著者
泉池 敬司 羽鳥 理 真次 康夫 古谷 正 高木 啓行 林 実樹広
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

H^∞のイデアル構造とその上の作用素の研究が目的で、代表者は次の結果を得た。1)H^∞の極大イデアル空間の自明点の集合に関するはスアレスの問題の解決。2)素イデアルに関するゴルキンとモルチイーニの問題の解決。極小のκ-hullに関するゴルキンとモルチイーニの問題の解決。極大イデアルの共通部分で表せるイデアルの十分条件を与えた。3)互いに特異な測度の特異性、および測度の絶対連続性が極大イデアル空間に表現できることを示しH^∞+Cでの割算問題に応用した。4)表現測度の台が極大となるための十分条件を与えた。この証明の方法は応用範囲が広いことがゴルキン、モルチイーニ氏との共同研究で分かった。また可算性の研究の1つとして、QC-level集合、非解析集合を研究した。5)合成作用素の空間の本質ノルムによる連結成分を決定した。6)中路、瀬戸氏とトーラス上の逆シフト不変部分空間の研究を行ない、自然に得られる作用素が可換になるときの部分空間を決定した。7)Yang氏とはトーラス上で、逆シフト作用素が縮小的な部分空間を決定した。研究分担者の古谷氏は長氏とlog-hyponormal作用素を研究し、Riemann-Hilbert問題に1つの解を与えた。またω-hyponrmal作用素のkernelに関するAluthge-Wangの問題の解答を与えた。真次氏はn次元空間の単位球上の関数空間の研究を行い、荷重バーグマン・プリバロフ空間に対して、Yamashita-Stoll型の特徴付け及び等距離写像の決定を行った。羽鳥氏は可換Banach環上の環準同形写像の表現定理を与え、環準同形写像が線形写像となるための十分条件を与えた。高木氏は関数環上の荷重合成作用素の次の性質を明らかにした。1.閉値域 2.本質ノルム 3.Hyers-Ulam stability定数。
著者
泉池 敬司 羽鳥 理 古谷 正 中路 貴彦 林 実樹広 大野 修一
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

研究代表者は(共同研究で)次の研究成果を得た。1)バイデスク上のハーデイ空間の不変部分空間において、zの掛け算作用素とwの掛け算作用素の共役作用素の交換子がランク1になる場合を調べ、ある条件の下で完全に決定することができた。同様に圧縮作用素S_zとS_wの交換子がランク1になるときの逆不変部分空間を決定した。2)有界解析関数空間の合成作用素の差の本質ノルムの上界と下界の評価式を与えた。また、加重合成作用素の差がコンパクトになるときの特徴づけを与え、位相構造を調べた。3)2次元のFock空間の中で主導項をもつ多項式の研究を行い、それに付随する準不変部分空間が相似になるときを決定した。4)1変数のハーデイ空間上で、ハンケル作用素の積がハンケル作用素のコンパクトな摂動となるときの特徴づけを与えた。5)有界解析関数環における、閉素イデアルに関するゴルキン・モルチニの問題の部分解を与えた。6)互いに特異である、単位円周上の特異測度に対して、その絶対連続測度に対応する特異内部関数の共通零点集合が互いに素であることを示した。またモルチーニ・ニコラウの特異内部関数のフロストマンシフトに関する2つの問題を解決した。中路氏は、可換持ち上げ定理はバイデスク上のハーデイ空間の2つの圧縮作用素の場合でも成立しないが、しかし多くの圧縮作用素では、可換持ち上げ定理が成立することを示した。大野氏は単位開円板上の有界調和関数空間上のハンケル型作用素のコンパクト性、完全連続性の特徴づけを行い、そのときのシンボルを決定した。また合成作用素の本質ノルムを決定した。その上ブロック空間上の2つの合成作用素の差のコンパクト性を特徴づけた。