著者
翠川 博之
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、サルトル演劇の分析を通じて「対話のモラル」を提起するものである。暴力は他者を支配しようとする主体の欲望から生じる。したがって、人間関係を規制する倫理は絶対対等な人間関係に基づいて構想されなければならない。本研究では、個人の自律性を損なわない対等な関係性を「遊戯的関係」というモデルで明示している。「遊戯的関係」に基づく「遊戯的対話」は規範を創出する自由な相互活動である。