著者
胡 克龍 府川 和彦 鈴木 博 張 裕淵
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.490, pp.183-188, 2015-02-25

無線通信用のRFアナログ回路とベースバンド・ディジタル回路とを一体化したSi-CMOS ICの実現を目指し,アナログ回路の低電圧化,SNR低下,低利得化,素子不均一性等に対処できる新しいアナログ・ディジタル変換方式を検討する.具体的にはTDC(Time Digital Conversion)に基づき,バンドパス信号から基準信号である正弦波を減算し,基準信号とバンドパス信号が交差する時刻の系列,即ちリアルゼロ(ゼロクロス)系列を用いて,ベースバンド信号のサンプリング値を拘束条件付き最小2乗法を用いて推定する.また,バンドパス信号の系列長が長いとき,推定すべきサンプリング値の数が非常に多くなり,演算量が膨大になる,この演算量削減のため,信号を一定区間に分割して推定する.計算機シミュレーションにより,基準信号の周波数及びリアルゼロ系列の時間精度をパラメータにして,提案手法の信号再生の精度を定量的に評価する.