著者
富樫 均 田中 義文 興津 昌宏
出版者
長野県自然保護研究所
雑誌
長野県自然保護研究所紀要 (ISSN:13440780)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.1-16, 2004
被引用文献数
1

長野市飯綱高原に位置する逆谷地湿原で得られたボーリングコアを試料として、完新世の堆積物の花粉分析、微粒炭分析、14C年代測定を行い、里山の環境変遷を考察した。その結果によれば、飯綱高原においては、約3000年前の縄文時代の後期から火入れをともなう人間活動が活発になり、森林植生への影響が顕著になった。また、約700年前の中世の時代には森林破壊が極大期に達し、森林が減少し草地が拡大した。その後、約400年前以降の近世になって火入れ行為が抑制され、森林が回復し、アカマツ林やスギ林が拡大した。このような人と自然の関わりと変遷の歴史は、現代の里山問題の前史と位置づけられ、里山という場への新たな認識をあたえるものである。
著者
富樫 均 田中 義文 興津 昌宏
出版者
長野県自然保護研究所
巻号頁・発行日
vol.7, pp.1-16, 2004 (Released:2011-01-21)

長野市飯綱高原に位置する逆谷地湿原で得られたボーリングコアを試料として、完新世の堆積物の花粉分析、微粒炭分析、14C年代測定を行い、里山の環境変遷を考察した。その結果によれば、飯綱高原においては、約3000年前の縄文時代の後期から火入れをともなう人間活動が活発になり、森林植生への影響が顕著になった。また、約700年前の中世の時代には森林破壊が極大期に達し、森林が減少し草地が拡大した。その後、約400年前以降の近世になって火入れ行為が抑制され、森林が回復し、アカマツ林やスギ林が拡大した。このような人と自然の関わりと変遷の歴史は、現代の里山問題の前史と位置づけられ、里山という場への新たな認識をあたえるものである。