- 著者
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舘 和幸
- 出版者
- 一般社団法人 色材協会
- 雑誌
- 色材協会誌 (ISSN:0010180X)
- 巻号頁・発行日
- vol.94, no.1, pp.9-16, 2021
<p>エア霧化塗装,回転霧化静電塗装について,被塗装面の近傍領域における塗料粒子の状態(径,比電荷,速度)と塗料粒子の飛行空間の状態(エア速度,電界強度など)を二次元でモデル化し,塗着効率が全塗料粒子の単なる軌道の問題としてシミュレーションで求められることを示した。さらに,その結果に基づき,実用面において塗着効率を向上させるためには,塗料の微粒化の最適化,比電荷や電界強度の増大,さらに必要に応じてパターンの狭小化が有効なことを説明した。また,塗着効率100%の塗装技術として期待されるインクジェット塗装は,生産性(時間当たりの塗装面積)が飛躍的に向上しない限り,自動車ボデーの塗装工程での採用は難しいことを示した。</p>