- 著者
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舟木 紳介
- 出版者
- 一般社団法人 日本社会福祉学会
- 雑誌
- 社会福祉学 (ISSN:09110232)
- 巻号頁・発行日
- vol.45, no.3, pp.33-42, 2005-03-31 (Released:2018-07-20)
1980年代後半以降,社会福祉専門職による「相談」は,社会福祉にかかわる実践のさまざまな分野においても,専門性を伴う行為として認識されるようになった.しかし,高齢者福祉政策における「相談」事業が拡大化する一方で,社会福祉専門職による「相談」は,専門職の公的制度化といった国家政策との関係性から論じられることはあまりなかった.本稿の目的は,社会福祉専門職による「相談」の言説が,高齢者福祉政策との関係において,どのような変遷をたどってきたかについて検討することである.とくに1980年代後半以降の在宅介護支援センターの政策展開における官僚行政を中心とした政策側と実践団体を中心とした実践側の「相談」の言説に注目した.これらの検討をとおして,社会福祉専門職の一機能にすぎなかった「相談」が社会福祉専門職の中心的業務としての「相談」に変化していく変遷を描くことを試みた.