著者
大塚 攻 山口 篤 花村 幸生
出版者
日本プランクトン学会
雑誌
日本プランクトン学会報 (ISSN:03878961)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.87-93, 2011-02-26

本稿では,動物プランク卜ンとして重要なカイアシ類,アミ類に共生する繊毛虫の生活史,生態,生態的機能について概説する。なお,「共生」に関する厳密な定義は困難である場合があるが(Bush et al. 2001), ここでは相利共生,片利共生,寄生,捕食寄生,便乗なども含む広義の意味で「共生」という言葉を使用し,宿主と共生生物との種間関係が明確でない場合も「共生」という言葉を使用する。通常,宿主が共生生物より体サイズが大きく,宿主と共生生物間に食関係か成立していて宿主になんらかの悪影響がある場合を「寄生」,宿主を確実に死に至らしめる場合を「捕食寄生」と呼ぶこととする。