著者
芹沢 孝子
出版者
日本爬虫両棲類学会
雑誌
爬虫両棲類学雑誌 (ISSN:02853191)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.11-19, 1985 (Released:2009-03-27)
参考文献数
3
被引用文献数
10

前回の報告(芹沢,1983)では,冬眠からさめた直後に水があり,したがって産卵の開始が水の有無に影響されない場所でのダルマガエルとトノサマガエルの成長と産卵について,体長組成と卵巣の発達過程から推定した結果を述べた。しかしながら,今日では多くの水田は,農地改良によって乾田化が進み,機械植えが普及し,田植え時まで水が乏しい状態になっている。そこで今回は,このような場所でのダルマガエルRana brevipoda brevipodaとトノサマガエルR.nigromaculataの産卵様式を推定し,産卵開始時期に対する乾田化の影響について検討してみた。