- 著者
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福 知栄子
倉知 桂子
若林 敏子
内本 充統
- 出版者
- 岡山県立大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2003
岡山県内ファミリーサポートセンター依頼会員調査からセンター活動の活用状況や期待および課題を捉え、さらに全国アドバイザー調査からはセンター活動の支援状況や支援プロセスおよび今後の課題等を把握した。また、事例を通して地域子育て支援活動としてセンター活動が果たすコーディネート機能について検討した。依頼会員は、子育てへの安心感(緊急支援)を得ることやワークライフバランスを図るために登録をしている。提供会員には、子どものケア・ニーズへの対応とともに、親のニーズへの対応も期待している。地域住民参加型の子育て支援ネットワークづくりへの依頼会員の貢献が今後の課題である。アドバイザー調査からは、センター活動がひとり親、障害のある親、外国人の親等多様な家族を支援する実態がみえる。支援活動の質を左右するマッチング場面のアドバイザー同席は半数である。提供会員研修には、手どもの育ちや応急手当等と子育て不安への理解等親関連の内容も含まれる。センターが地域関連機関との間で情報交換をするのは、保健所や保育所が最も多く、次に子育て支援センターや主任児童委員等である。個別ケース支援の連携もあり、アドバイザーのコーディネート機能による地域連携活動として、くらしが不安になる離婚前後での支援や親の精神的不安が強い時期の支援等の事例がみられる。今後の課題は、提供会員の量的拡大と質的向上、関連機関との連携の充実、アドバイザーの知識・技術の向上等である。適切で柔軟なコーディネートができるアドバイザーの質的向上のための研修体制・スーパービジョン体制の確立が重要である。子育て家族が抱える課題を共通理解し、地域で子どもと家族を支援するチームとして支援者と親が協働で活動することが今後のセンター活動の展望を切り開く。