- 著者
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若生 彦治
- 出版者
- 安全工学会
- 雑誌
- 安全工学 (ISSN:05704480)
- 巻号頁・発行日
- vol.26, no.4, pp.241-243, 1987-08-15 (Released:2017-11-30)
昭和61年8月,神奈川県内にあるアルミ鋳造工場の保温加熱炉(保熱炉)が金属火災を発生した。保熱炉は,溶融状態のアルミ合金を鋳造機に供給するために設けた容器であり,鉄製るつぼと灯油バーナで構成される,バーナ点火後40min,通常ならばるっぽ内のアルミ合金が溶融し始めるころに,突然,るつぼは白熱しアルミ合金とともに流出した.その原因は,なんらかの理由でるつぼが割れ,.るつぼから流出した溶融アルミ合金とるつぽの酸化鉄が混合し,この混合物がバーナ火炎で強熱されて異常に高い温度を発生したことにあると推定される.