著者
茂木 康嘉 大塚 俊 谷中 拓哉
出版者
尚美学園大学スポーツマネジメント学部
雑誌
尚美学園大学スポーツマネジメント研究紀要 = Bulletin of sport management, Shobi University (ISSN:24358231)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.57-66, 2020-12-25

【目的】本研究では、女子野球選手の形態的・体力的特徴について、検討することを目的とした。【方法】女子野球選手10名、特別な運動習慣のない一般成人女性8 名が本研究に参加した。形態的特徴を示す変数として、身長、体重、左右の四肢長、超音波法を用いた左右各部位における筋厚の測定を行った。なお、測定された筋厚の値から左右の四肢における筋量指標と除脂肪量を推定した。体力的特徴を示す変数として、握力、背筋力、垂直跳跳躍高、立幅跳跳躍距離の測定を行った。【結果】身長、体重、除脂肪量や四肢長においては、両群に統計的な差はみられなかった。投球手側の体重あたりの上腕前部筋量指標と左右の体重あたりの大腿後面筋量指標は、女子野球選手の方が大きかった。握力、背筋力、垂直跳跳躍高、立幅跳跳躍距離のそれぞれの値は、女子野球選手の方が大きかった。【結論】本研究の結果から、女子野球選手は、一般成人女性と比較して、身長、体重や四肢長などの身体サイズが特別に優れているわけではないことが示された。一方で、継続的な野球のトレーニングによって、投球手側の上腕部、左右の大腿後面部の筋の量的な特徴は変化し、さらに体力も一般女性よりも向上することが示唆された。