著者
永峰 康一郎 茅野 琴乃
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2010年度日本地球化学会第57回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.142, 2010 (Released:2010-08-30)

「丹」とも呼ばれた硫化水銀の鉱石である辰砂を産する地には「丹生(ニウ)」という地名がつけられているという。水銀鉱床と「丹生」という地名との関連性については、これまで歴史学の分野で研究が行われてきたが、由来がはっきりしない地点も多い。そこで本研究では、地球表層の元素濃度分布を地図に表した地球化学図を用いて両者の関連性の検証を試みた。但し北海道はアイヌ語に由来する地名が多いため対象から除外した。その結果、「丹生」の地名がある地点で、地球化学図からも辰砂の産出が認められる地点とそうでない地点があった。また「丹生」以外の辰砂産出を由来としていると考えられる地名が、高濃度の水銀が検出された地点の周辺にあった。