著者
荒木 孝子
出版者
天理大学言語教育研究センター
雑誌
外国語教育 : 理論と実践 (ISSN:02881942)
巻号頁・発行日
no.39, pp.49-62, 2013

ジェイムズ・クラレンス・マンガン(James Clarence Mangan, 1803-1849)がアイルランド語から英語に翻訳した優れた詩のひとつに「マグワイアに寄せるオハッシーのオード(O'Hussey's Ode to the Maguire)」がある。原詩は,詩人オハッシーが,エリザベス1世との9年戦争で命を落とした主君ヒュー・マグワイアを詠った音節詩(syllabic poetry)である。原詩の背景として,オハッシーとヒュー・マグワイアとの繋がりや原詩の音節詩としての形を明らかにした後で,マンガンの翻訳した英詩を原詩と比較検討する。この翻訳詩の特徴とその詩が,当時のアイルランドの英詩に新しい詩形を生み出した詩であることを検証する。