著者
荒田 尚子
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.106, no.11, pp.2432-2438, 2017-11-10 (Released:2018-11-10)
参考文献数
16
被引用文献数
1

妊娠中の内分泌疾患の管理を行う際には,妊娠による母体のダイナミックな生理的変化を理解し,疾患が妊娠に与える影響,妊娠中の薬物療法や疾患の胎児への影響等を周知することが重要となる.特に,内分泌系の検査値は,妊娠によって大きな修飾を受けることから,その解釈が難しいことが多い.妊娠中の主な内分泌系の変化を解説し,主な内分泌疾患として,Basedow病,甲状腺機能低下症,下垂体腫瘍ならびに副腎腫瘍についての管理概要を述べた.
著者
荒田 尚子
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.103, no.4, pp.924-931, 2014-04-10 (Released:2015-04-10)
参考文献数
12

Basedow病や慢性甲状腺炎などの甲状腺疾患は妊娠可能年齢の女性に多くみられることから,甲状腺疾患の診療を行う上で妊娠中の管理にも精通しておく必要がある.Basedow病では,チアマゾールの催奇形性とPTUの重篤な副作用リスクの両者を考慮して良好な甲状腺機能のコントロールを目指す必要があり,時に甲状腺専門医,産科医および新生児科(小児科)医との連携が必要となる.慢性甲状腺炎ではレボサイロキシン量の細やかな調節が重要である.