著者
池本 淳一 陳 宝強 荘 嘉仁
出版者
松山大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では戦前の中国における武術雑誌の内容分析を通じて、武術とチャイニーズネス(中国/中国人らしさ)の関係を考察した。具体的には、前期(1921~30)において武術が芸術と同等の「高級文化」、さらには近代的身体を育成する「中国発祥の近代体育」として再構築されていったこと、後期(1931~41)において武術が固有の文化的価値と社会的役割を持つ「中国の民族体育」として、さらには悠久の歴史と深遠な中国哲学を持つ、もっとも「中国らしい」国民文化として再構築されていった過程を明らかにした。