著者
荘司 博行
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.390-397, 2015-11-25 (Released:2019-02-20)
参考文献数
14
被引用文献数
2

入浴剤は日本独特の商品である.お風呂文化も日本独特であり,これほど生活に密着したものはない.入浴剤の原型「浴剤中将湯」が世の中に出て,110年以上が経過する.入浴剤の初期は,香りより入浴効果を重視した.昭和5年には,「芳香浴剤 バスクリン」が発売され,入浴剤の主役は,効果から次第に香りに移行する.そして,時代とともに入浴剤の形態も多様化した.発売当初から現在までの,多様化する入浴剤の変遷を追いながら,入浴剤の主役ともいえる香りの変遷について,香りを創る調香師の目線で考察する.