著者
莫 舸舸 青木 由直
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. D-II (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.87, no.12, pp.2124-2135, 2004-12-01
被引用文献数
29

道路標識は交通安全に対して大きな役割を担っている.本論文では,ドライバが標識を見落とすことを防ぐため,車内に設置されたカメラによって撮影した画像から道路標識を抽出し,道路標識の種類とタイプを認識する手法を提案する.本研究では,提案した輝度・彩度分布特徴パラメータ「輝彩度」(街値)を利用し,カラー画像から標識候補画素を抽出することにより,標識の抽出牢の向上を図っている.「シンメトリフレームワーク(symmetry framework)形状判別法」により,標識候補領域の5種類の形状を判断できることを示し,処理時間の大幅な軽減を図っている.シンボルと背景の輝度差と色度差を利用し,標識シンボル領域を抽出している.抽出した標識シンボル領域の形状判断により,標識のタイプを確定できる.また,3種類の色,5種類の形状,16タイプの標識が存在するカラー画像500枚を用いた評価実験の結果,96.2%の高抽出牢と93.3%の高認識牢を達成するとともに,平均処理時間が約0.1秒とほぼ実用的な処理時間を達成できることを示した.