著者
菅 建彦
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.108-112, 2004-04-25 (Released:2011-08-11)

「岩崎・渡辺コレクション」は, 明治30年代の日本の鉄道の蒸気機関車, 駅舎, 橋梁等の構造物など記録した写真資料で, 国有化以前の日本の鉄道の姿を伝える貴重な記録である.コレクションの主体は3,347枚の乾板で, 若き企業家渡辺四郎と岩崎輝彌が高名の写真師小川一真に撮影させたものである.現在使用している複製用陰画フィルムは, 40年前に乾板を引き伸ばして得た印画を撮影したもので, 早晩劣化を免れない.貴重な資料を末永く活用するためにディジタル画像化などの対策を講じることが重要な課題である.