著者
菅 知之 米倉 昭利 加藤 寛之
雑誌
情報処理学会研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.57(2001-EIP-012), pp.15-19, 2001-06-01

ネット社会の発展は目覚しく、今後の可能性に大きな期待がかけられているが、一方ではハッカーや成りすまし等の不安要素も抱えている。非対面・非書面が特徴のネット社会は無責任社会になる潜在的な可能性を秘めているが、無責任社会には善良な市民は入ってこなくなり健全な発展は望めないので、責任追及性の確保が今後の発展のキーポイントである。ネット社会での活動は電子データとして記録されるため、ばらばらに存在する個人情報が容易に収集することができ、その結果として起こり得るプライバシー侵害はネット社会の発展阻害要因となる。責任追及性とプライバシー保護とのバランスこそがネット社会の発展の鍵であり、そのためにはリアル社会との接点を確保して責任追及性を備えた匿名性の導入が有名である。