著者
菅原 光晴 前田 眞治
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.77-85, 2010-03-31 (Released:2011-05-11)
参考文献数
24
被引用文献数
1

本研究は,左半側空間無視 (以下USN) に対する認知リハビリテーションの有用性について検討した。対象は USN を有する実験群 13 例と対照群 12 例である。実験群には USN へのアプローチに加え,認知リハビリテーションを実施した。対照群には認知リハビリテーションを除く実験群と同様の訓練を実施した。訓練効果の測定にはBIT 行動性無視検査,Catherine Bergego Scale を用いた。各評価をベースライン期,介入期 4 週後,8 週後,12 週後,フォローアップ期 3 ヵ月後,6 ヵ月後に行った。その結果,介入期 12 週後の成績には差がないものの,実験群では早期から成績向上が認められた。さらに,フォローアップ期において成績低下は緩やかで維持する傾向が認められた。以上より,USN 患者に対する認知リハビリテーションは,USN の改善を早期に促進させ,訓練終了後も訓練効果を維持させる可能性が高いものと考えられた。