著者
池田 泰子 高橋 秀昌 菅原 秀治 渡辺 伸
出版者
[東北農業試験研究協議会]
雑誌
東北農業研究 (ISSN:03886727)
巻号頁・発行日
no.62, pp.113-114, 2009-12

ラズベリーはバラ科キイチゴ属の低木で、寒冷地での栽培に適し、結果樹齢に達するのが早く、新規導入する品目として有望である。二季成り性品種は、前年の秋果の結果枝が翌春の結果母枝となって夏果を結実し、春から伸長したシュートに秋果が結実する性質を持つ。ラズベリーの国内の需要は10年前の約10倍に増加しており、今後も安定的な需要が見込まれる。しかし現在は、需要のほとんどが輸入品でまかなわれている一方、国内ではほとんど産地形成されていない状況にある。山形県の内陸北部、最上地域は、中山間地域で冷涼な気候のため、ラズベリーの栽培に適すると考えられるが、多雪地域であり、こうした地域での栽培管理についてはこれまで明らかになっていない。そこで、二季成りの結果習性に着目し、省力的な越冬対策とともに、秋季に安定生産できる方法について検討した。