- 著者
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野沢 智裕
- 出版者
- [東北農業試験研究協議会]
- 雑誌
- 東北農業研究 (ISSN:03886727)
- 巻号頁・発行日
- no.61, pp.31-32, 2008-12
大豆跡復元田を利用した水稲不耕起V溝直播の除草剤体系。水稲不耕起V溝直播は、愛知県農業総合試験場が開発した水稲直播技術であり、冬季代かきを前提とした栽培体系により、従来の水稲直播技術に比べて、栽培安定性が高く、移植栽培と同等の収量、品質を得ることができるとされる。この技術に魅力を感じた筆者は、積雪寒冷地では冬季代かきの実施が困難であると考え、代かきを省略した技術体系の実用化に向けて2005年から試験を実施してきた。これまでの試験から、大豆跡復元田においては、大豆収穫後積雪前までの期間にロータリ耕による整地を行うことで消雪後に固結し、播種前の代かきを省略しても実用的な播種が可能になること、播種量を8kg/10a程度とし、窒素成分で2kg/10aの施肥を苗立ち期に行うことにより移植並の収量が得られることなど、積雪寒冷地での実用化に目処が付いた。しかし、慣行の除草剤体系(一発剤→クリンチャーバスME液剤の体系処理)では雑草の防除効果が不十分であるという問題が残された。この問題を解決するため、愛知県が確立した除草剤体系を含む4種類の除草剤体系の比較を行ったので、その結果を報告する。