著者
玉川 洋 米山 克也 菅野 信洋 神 康之 笠原 彰夫 山本 裕司 高梨 吉則
出版者
横浜市立大学
雑誌
横濱醫學 (ISSN:03727726)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.145-149, 2005-03-31
被引用文献数
1

症例は14歳,男児.開腹歴を含め,既往歴に特記すべきものなし.下痢,腹痛を主訴に来院し,抗生剤投与で一時軽快したが,その後腹部膨満感出現し,緊急入院となった.入院時血液検査所見で炎症反応の異常高値とCT検査上絞拒性イレウスの所見を認めたため緊急開腹手術を施行した.術中所見は回腸から約60cm口側にメッケル憩室を認め,そこに付着したmesodiverticular bandにより回腸が内ヘルニアを形成していた.小腸は広範囲に壊死しており,小腸部分切除を行った.mesodiverticular bandによるイレウスは稀で,術前診断は困難であるため手術歴のないイレウスの原因として考慮すべきであると考えられた.